目的
- 対象業務(の特定部分)が提供するサービス項目と、誰がそのサービスを受けるのかを明らかにします
- 対象業務(の特定部分)の範囲を示します
- 個々の業務サービスが、対象業務範囲外の誰(何)と連携するのかを示します
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成果物関連
入力成果物リスト
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前準備
- 企画や現状調査結果等、対象業務のあるべき姿(ToBe)に関する資料や情報を入手し、理解を深めておきます
- ホワイトボードやモデリングツールを準備し、(ビジネス・)ユースケース図を作成できる環境を整えます
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作成手順
1 |
- ビジネス・ユースケース図の作成対象とする業務範囲(フォーカス業務」と呼びます)を決めます。
- フォーカス業務は、対象業務全体或いは、その一部になります。
- フォーカス業務に名称を付けて、「ビジネス境界」として描きます。
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2 |
- フォーカス業務における業務サービスの利用者を特定し、ビジネス・アクターとして抽出し、その役割や関係を明らかにします。
- 「ビジネス境界」の左側にビジネス・アクターを配置します。
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3 |
- ビジネス・アクター毎に、ビジネス境界(フォーカス業務)内で、どのようなビジネスサービスを受けるかを検討し、ビジネス・ユースケースとして図に加えます。
- ビジネス・ユースケースは、ユースケースの目的レベルの「要約」レベルで、ビジネス・アクターから見て一つの完結するサービスとして捉えます。
- 業務サービスの詳細は、業務フロー図で表しますので、ここでは、ビジネス・ユースケースを業務サービスの目録のようなイメージで捉えます。
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4 |
- 抽出したビジネス・ユースケースの実現において、ビジネス境界外のビジネス・アクターと関係するか否かを検討し、必要に応じて外部のアクターを識別し、図上に書き加えます。
- この時、外部のビジネス・アクターは、ビジネス境界の右側に配置し、当該アクターがシステムの場合は四角形で表示します。
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ワンポイント・アドバイス
- 作成手順No.3でのビジネス・ユースケースの単位(粒度)に注意しましょう。
「そのビジネス・ユースケースが表す業務サービスは、どこから始まりどこで終わるのか」 という質問の答えが、ビジネス・アクターから見て完結したものになっている必要があります。これは「その業務サービスを受けると、ビジネス・アクターは何らかの業務目的が達成できるか」 という質問でも表すことができます。
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チェック・ポイント
- 業務名称とその境界(ビジネス境界)は適切でしょうか?
- ビジネス・アクターは漏れなく抽出できていますか?
- フォーカス業務と無関係のビジネス・アクターまで抽出していませんか?
- ビジネス・アクター名は「実名」でなく役割の名称になっていますか?
- ビジネス・ユースケースの単位(粒度)は適切ですか?(ワンポイント・アドバイス参照)
- 外部のビジネス・アクターも漏れなく抽出できていますか?
- ビジネス・ユースケース図を分割して作成している場合、全てのビジネス・ユースケース図でフォーカス業務全体をカバーできていますか?
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参考情報
- ハンス=エリク エリクソン (著), マグヌス ペンカー (著),鞍田 友美 他(翻訳)「UMLによるビジネス・モデリング」,ソフトバンククリエイティブ,2002年
- アリスター コーバーン (著),ウルシステムズ株式会社 (著)「ユースケース実践ガイド」,翔泳社,2001年
- フィリップ クルーシュテン (著), 藤井 拓 (翻訳)「ラショナル統一プロセス入門」,ピアソンエデュケーション,2001年
- IIBA®日本支部 BABOK®翻訳プロジェクト「ビジネスアナリシス知識体系ガイド(BABOK®ガイド)Version 2.0」,IIBA®日本支部,2009年
- 情報処理推進機構ソフトウェアエンジニアリングセンター 「共通フレーム2007」,オーム社,2007年
- 『JAVA PRESS Vol.36』「J2EE開発に求められるモデリング手法 第一回 ビジネスモデリングの基礎」,技術評論社刊, 2004年
- The Rational Edge「UMLを使ったビジネスモデリング(前編)」 なるほど! ビジネス・ユースケース
- The Rational Edge「UMLを使ったビジネスモデリング(後編)」 そうだったのか! システムユースケース
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